キャリア・パスポート

キャリア・パスポートは、2020年4月、まさにコロナ禍に導入され、学校、家庭及び地域における学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うよう努めることが求められてきました。

基本的に、児童・生徒間で見せ合うことは内容が脚色されてしまう可能性があり想定されていません。あくまでも個人の変容や成長を自己評価するために蓄積していくポートフォリオです。各教科の学習状況やキャリア形成に見通しを持ち振り返ることのできるよう、学年間の引き継ぎは教師間で行い、校種間の引き継ぎは児童・生徒を通じて行われます。

キャリア・パスポートの作成にあたっては、特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心に、教師と児童生徒が対話的関りを持ちながら個別の目標設定修正を支援しながら個性を伸ばしていくことが理想とされています。

進学校においては、授業時間を利用せずに長期の休みに家族と話し合いながら作成できるように課題とするケースが多く見受けられます。授業時数の調整や教員の負担にはならない一方、この場合、キャリア・パスポートは宿題の一部となり、何かしらの回答を書いて提出しなければならないという作文的な記載になったり、親の回答となってしまうなどの懸念があります。

取り組みの方法によって、キャリア・パスポートの果たす効果が歴然としてくるのです。取り組みの方法が学校によって差が出てくるのも、教員への負担が考えられます。すべての小中高校での作成・活用が義務付けられ、内容や様式については、各地域・学校で柔軟にカスタマイズしてよいことになっていますが、これもまた教員が考えて実施しなくてはならない仕事の一つが増えたということです。

子ども自身が学習状況やキャリア形成を振り返ることで主体性を育み自己実現につなげていくこと、ここに成果をあげていくには、記録の積み上げとともに教員への支援体制の整備が急務です。


Career Design‐Firm VERY

キャリアデザイン・ファーム VERY